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インプラント治療後に気をつけること

インプラント治療が終了した後も、インプラントの健康と長期的な機能を保つために、治療の定期メンテナンスが重要です。

インプラント治療後に起こりやすいトラブル

インプラント治療後に最も懸念すべき状態は、インプラント周囲炎です。この病態は、歯周病と似た症状を示し、主にインプラント周囲の歯肉が腫れ、出血することがあります。この症状が進行すると、インプラントを支えている顎の骨が吸収され、最悪の場合、インプラントが不安定になり、抜け落ちてしまうこともあります。

インプラント周囲炎は、インプラント周囲に歯石やプラークの蓄積があると、歯周病菌が繁殖しやすくなります。口内衛生の状態が良くない場合に発生しやすく、インプラント治療後に最も注意が必要な状態です。これはインプラントだけでなく、自然歯でも同じです。

インプラントを長持ちさせるために

家庭でのセルフケア


日常的なセルフケアは、インプラントの寿命を延ばすために不可欠です。天然歯と同等以上の注意深いケアが必要です。専用のインプラント用ブラシや歯間ブラシを使用して、インプラント周囲を入念にケアしましょう。

歯医者の風景

歯科医院で定期的なメンテナンス


定期的な歯科医院でのメンテナンスも、インプラントの寿命に大きく影響します。歯科衛生士は専用の器具を使ってインプラント周囲のプラークや歯石を除去し、口腔内の清潔さを保ちます。また、噛み合わせの確認やインプラントの安定性のチェックも行います。

これらの定期メンテナンスを受けることは、インプラントの寿命に大きな差を生む要因です。定期的なメンテナンスを受けないと、インプラント周囲炎のリスクが高まり、残存歯にも歯周病のリスクが広がる可能性があります。したがって、定期的な歯科医院の診察とメンテナンスを受けることをお勧めします。

インプラント術後に気を付けること

麻酔の効果


インプラント手術では、局部麻酔や静脈内鎮静法が使用されます。手術中は麻酔の効果により痛みを感じにくいですが、麻酔が切れると痛みを感じることがあります。また、腫れも3日目くらいが最も顕著ですが、1週間ほどで収まることが多いです。

内出血の可能性


特に女性の場合、手術後2〜3日経過すると、手術箇所周辺に暗紫色の内出血班が生じることがあります。これは内出血が皮膚に影響する現象で、1〜2週間で自然に消えます。気になる場合は隠す方法を検討しましょう。

処方薬の服用


手術直後には医師から薬が処方されます。特に抗生剤については、医師の指示通りに服用し、飲み忘れないようにしましょう。

麻酔の切れるまでの飲食に注意


麻酔が効いている間は、口の感覚が麻痺しているため、熱い飲み物や刺激の強い食べ物を摂っても痛みを感じにくいです。しかし、誤って口内の組織を傷つける可能性があるため、麻酔が切れるまで飲食には注意が必要です。柔らかい食品や液体を選ぶことをお勧めします。

十分な止血


手術直後にはクリニックで止血処置が行われますが、時間が経つと血が滲んでくることがあります。この際には清潔なガーゼを手術部位に当てて圧迫止血を行いましょう。ガーゼを新しいものに交換する際には、10〜15分程度経過させてから行います。術後、唾液と混ざって出血することがありますが、通常は翌日には収まります。出血が気になる場合には、マスクを使用し、ティッシュを挟むことで対処できます。

食事


手術後は麻酔の効果が切れるまで食事を控え、食事を摂る際には柔らかい食べ物を選びましょう。おかゆ、うどん、スープなどの柔らかい食品が適しています。硬い食べ物や刺激の強い食品、ガム、おせんべいなどは避けるべきです。柔らかい食べ物でも、口に力を入れずに摂るように心がけましょう。

飲酒・喫煙は厳禁


手術後の1週間は飲酒を控えるべきです。アルコールの摂取は血行を促進し、出血や痛みの増加の原因となります。術後の快適な回復を妨げないためにも、アルコールを避けましょう。

インプラント手術後は特に禁煙が重要です。タバコのニコチンは血管を収縮させ、血行を悪化させます。これにより、傷口の治癒が遅くなり、感染のリスクが高まります。手術前後1週間は禁煙が必要であり、できれば8週間の間も禁煙を続けることをお勧めします。また、タバコは歯周病の原因にもなるため、禁煙を検討する良い機会かもしれません。

さらに、入浴や激しい運動も避けるべきです。これらの活動は血行を促進し、痛みや出血を引き起こす可能性があります。術後3日ほどはシャワーを浴び、入浴は避け、激しい運動も1週間は控えましょう。

北村 篤史のプロフィール写真

この記事の著者・監修者

きたむら歯科院長:北村 篤史

院長の北村篤史です。地域医療に貢献したいと思い、海外で身につけた歯科に関する高度な知識や技術で診療を行います。

略歴

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